アンサイクロペディア 防衛大

一昨日母校に行ってきたのでそのネタで。

学生生活について以下おもしろい記事を発見した。
これはかなり真実に近い。しかもわたくしと近い年代の卒業生が書いたに違いないふしがある。
以下サイトから引用
http://ansaikuropedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1

概要

「大学校」の名前からも明らかなように、決して大学とは相容れない場所であり、暦とした刑務所である。そこでは毎日のように労役のような生活を送り、4年間それに耐えたものだけが軍隊の官僚になれると言う特権を与えられる。
防衛大学校の学生は毎月公称10万(厚生費や年金の積み立てで実質8~9万)の給料が与えられる。一見、「大学生なのに勉強しながら金がもらえるなんて羨ましい」と思えるかもしれない。しかし防大での実際の生活の大半は、1日5回もある部屋や廊下の掃除や食事の準備、アイロンかけ(プレス)やレポートや報告書などの雑用におわれ、まるで勉強どころではない。一夜まったく寝れないことすらある。「軍隊の官僚になる」という最終目的そっちのけでまるで掃除だけしに来たのではないかと思えるほど。そんな生活を実際にしてみれば「10万なんて少な過ぎる。30万はもらわないと割にあわねえ」と誰もが感じることだろう。決して防大生を「税金泥棒!」と石を投げてはいけない。真に石を投げつけるべきはこの人たち!!

着校

新入生の着校日は4月1日。この時の新入生はまだ「お客さん」扱いなので、上級生は本当に優しい。歓迎パーティまで開いてくれたりする。その日から対番と呼ばれる2年生に生活について色々教わるのだが、正直憶えることが多すぎ。宣誓文や防大の学生歌(校歌ではない)などの丸暗記はもちろん、「学生綱領」なるわけのわからん文章まで全文覚えさせられるのである。「国家防衛の志を同じくしてこの小原台に学ぶ我々は我々の手でこの学生綱領を定めた。その目指すところは…」などと今でもスラスラ言えるくらい何度も憶えさせられた。当然のことだが、自衛隊の報告書と同じく上の指導というものが入り決済が下りたときには作者ですら自分の文章かどうか見分けがつかなくなったものである。が一番厄介なものは、宣誓文。一見普通の宣誓文に変わりないのだが、もし防大を辞めると「宣誓文で言ったことにウソをついた」などとウソつき呼ばわりされるのだからたまったもんじゃない。宣誓文なんてただ読まされたに過ぎん。だれもそんな事本心で思っちゃいねえよ(思ってたらよほどの防衛マニア)。

入校

入校式が4月5日。この日をもって、正式に防大の学生として認定される。そしてこの日を境に、それまで優しかった上級生の態度が豹変する。上級生の変わり目は、入校式が終わって、保護者と食事会をして、それが終わって保護者が帰り始める夕方ごろから。 新入生の99パーセントは、入校式の夜からいきなりシバかれるものと思っていい(4月4日に宣誓書を提出した時点で厳しくなる大隊もある)。大隊によっては、上級生から後ろからいきなり壁に叩き付けられたりすることもあるという。その日から、まさに朝起きてから寝るまでの間ずっと悪夢の毎日が始まるのである。 それにしても入校式は地獄だった。何が地獄かって、パレードで2時間以上も整列休めをしないといけない。しかも2時間同じ姿勢でずっと直射日光を受けるので、それが原因で貧血やめまいを起こして倒れる新入生も続出するほどである。

学生生活

学生舎
防大は一応、国の施設である。そのため設備は相当粗悪な環境にあることが多く、寝室が特に酷い。ホコリだらけで、ダニがうようよ。1週間もそこに寝泊りすれば、間違いなく喘息にかかる。筆者も、2ヶ月以上咳が止まらない症状に見舞われた。さすがに、3年や4年生にもなれば免疫ができて咳き込むことはまずないようだが…1年生は「はい!」「はい!」「こんばんは!」ととにかく毎日のように大声を出さなければならないことも原因である。掃除は朝夕の2回あり、上級生の監視下で行われる。人間の動きとは思えないような速さでも「遅い」と罵倒され、手順を間違えると殴る蹴るのシバきを受ける。時には掃除解雇というものがあり、「もう掃除しなくていいから」と帰らされる。このとき早く終わったと喜んではいけない。後で呼び出されてシバかれるのだ。

食事
自衛隊の中で最もマズいという噂。しかも月曜日は何故かカレーである。朝・晩はセルフサービスだが、昼食は1年生が授業終わると即効で講義室から余裕で500メートルもある食堂へ息を切らしながら突っ走る。そして、上級生のための配膳を誤魔化しごまかしで行う。何を誤魔化すのかというと、上級生には綺麗なご飯を用意しないといけないからだ。防大の食堂の電気釜はどれもオンボロで底の方が焦げている。そのため白飯でも若干茶色い。それを上級生に差し出すなど御法度なので、上だけ綺麗で底が汚い。パッと見は綺麗で中身は汚い。これ防大の常識。正面玄関から見れば綺麗な防大だが、学生宿舎や食堂は全て老朽化が進み粗悪な環境なのだ。
しかし上級生は、底に黒いご飯を見つけても上が白ければ黙って食さなければならないのは常識である。幹部に至っては、部下が出してくれるメシは例え塩と砂糖を逆に入れられたものであろうと「うまい!」と言って喰ってやらなければならない

浴室
やはり汚い。作業着のたたみ方まで憶えんとイカンのですら面倒だが、自衛隊の風呂だけあって水虫がうようよ。まず1ヶ月もこの風呂に入れば、間違いなく足の裏の皮が剥げまくって痒くて授業どころじゃなくなる。

容儀点検
防大での最大のシバきのネタに容儀点検というものがある。単なる服装点検だが、まず絶対に受からない。例えどんなアイロンがけのプロであろうが、靴磨きのプロであろうが必ず落とされるというあまりにも理不尽な点検だ。そのために毎日何時間もの上級生の目を盗んではアイロンをかけ(これを防大ではプレスという)、落とされる。わずか1ミリのシワでも許されず、本当の完璧さが要求される。今思えば、朝方明るくなったときを利用して毎朝プレスをしていた(これをオハプレという)(そして絶対にオハプレしているところを見つかってはいけない)。常装(普通の制服のこと)と作業着、両方のプレス最高にめんどかった。そんな毎日の努力も報われず、相変わらず「プレス! および着こなし! および靴の汚れ! およびピカール不備!」などと何度も叫ばされた。このことからも、防大がアイロンがけのプロを養成する学校であることがわかる。

ミーティング
入学式や卒業式など比べ物にならないほどの防大最大のイベントといっても過言ではない。そこはまさに「屠殺場」。ある部屋に1年生全員集合させられ、部屋の周囲にはまさに殺意を持った上級生が。このミーティングでは普段とは比較にならないほどの大声で怒鳴り上げ、時には暴力すらある。1年生は当然着こなしを完璧にしなければならないだけでなく、靴下の寸分の捻じ曲がりも許されない。特に部屋の一番最後列の1年生は最悪。上級生が真後ろにいて、攻撃の絶好の対象となるからだ。1年生は当然ながら無防備。最大の防具は「はい!」という大声のみ。ちなみに2年生とのミーティングを「2-1ミーティング」、3年生だと「3-1ミーティング」、4年生だと「4-1ミーティング」などと呼ぶ。滅多にないが、「4-3ミーティング」なるものも極稀に存在する。姿勢はもちろん空気イスである。しかし、年に1度だけ「1-4ミーティング」という1年生が4年生に対して行える日がある。それは、勤労感謝の日(本当の勤労感謝の日がある週の1日)である。

講義
寝るための場所である(就寝工学科)特に1年生における熟睡率は壮絶極まりない。また、1学年時に寝る癖がつくことで、学年が上がっても寝る人は多い。
ちなみに教官は民間人であるが、中には軍人以上に厳しい人もいる。

校友会活動
防大ではクラブ活動のことをこう言っている。なんせ、たとえどんな運動の苦手な人でも必ず1つは運動部に所属しなければならない。文化部は任意だが、必然的に運動部と掛け持ちすることになる。部活の上級生は学生舎の上級生と違いすごく優しい。普通にやってればシバかれることはまずない。そこで、同じ大隊の鬼のような厳しい先輩のいるクラブにあえて所属することでその先輩を味方につける、という手もある。掃除のときもクラブの先輩がたまたま長(いわゆる掃除の監視(シバき)役)だったら怒られないので楽。めったに機会は少ないが…。 ただし、合気道部など武道系の校友会の上級生は学生舎の厳しいノリであるため注意が必要である。また、入校式を過ぎると校友会の勧誘が大量に来る。着校後に上級生からどの校友会に入るつもりかと聞かれたりするが、「考えている」などと曖昧な返事をすると後々しつこい勧誘を受けることになりかねないので、入りたい校友会は予め決めておくべきである。なお吹○楽部はその肺活量、指先の運動量から例外的に運動部と認められている。

大隊

防大は大きく分けて4つの大隊が存在し、それぞれの大隊の特徴を皮肉って「掃除1大隊」「カッター2大隊」「楽勝3大隊」「パレード4大隊」(もはや凋落・・・)などと呼ばれている。1大隊は最も厳しく、女子中隊ではない11・12中が防大の中でも最大級の厳しさであるという。そのため「花の11中」などと呼ばれることがある。それに比べ、3大隊が防大の中でも一番楽な大隊と言われ、ここに来た1年生は本当に幸運だったと言われる。2大隊はカッター訓練に、4大隊はパレードにあり得ないほどの熱意を入れるらしくウンザリさせられるそうだ。といっても、これらは過去の話になりつつあり、3大隊も厳しくなっている。

東京湾横断

入校者は一人も例外なく東京湾横断を経験する。まったく泳げないカナヅチも室内プールで期日までに泳げるようにする、というかなる。ただし、最大の難関は8kmという距離ではなく、東京湾に漂う無数のアカクラゲであり、全身鞭打ったかのような一生ものの傷が残る。こうして幹部たる精神と戦場に行ったわけでもないのに傷だらけの猛者らしい肉体を培うのである。彼らが横断する間、水路が混雑して船舶事故が多発するのは毎年のことである。

カッター訓練

2年生の4月末に行われる、通過儀礼的行事。何が通過儀礼なのかというと、これを境に2年生はしばかれなくなると同時に、1年生をしばく権利が与えられる。このカッター訓練が終わるまでは、2年生は1年生をしばいてはいけない。これさえ終われば、2年生は髪を伸ばそうが廊下を偉そうに歩こうがタバコを吸おうが自由になる。これさえ終われば防大生活はもはや楽になるといわれる。

退学者数

防大を語る上で最大の問題が、退校者数の圧倒的多さである。毎年、必ず100人以上の新入生が次から次へ辞めていく。最初は525人いた新入生も、ついた日から1日で辞め、入学式までに50人近くが辞めて行く。さらに、ゴールデンウィークまでには100人近くの新入生がやめ、卒業式を迎える頃には380名程度になっている。これは一般大学ではまず考えられない退学者数。やめる理由は様々だが、その9割以上を占めるのがおそらく「生活についていけないから」「上級生に毎日のようにシバかれるから」であろう。

専門用語

防衛大学校の専門用語を参照の事。

その他

髪型
1年生は原則必ずスポーツ狩りなど短くしなければならない。長いまま防大に来ると、来たその日から髪を短く切られてしまうので注意が必要である。理由は「上級生に髪を引っ張られないため」である。2年生でのカッター訓練が終わればある程度伸ばすことができるが、必ず刈上げにしなければならない。

恋愛
基本的に校内恋愛はアリだが、防大は女子学生自体少ない上にお洒落する余裕のない人がほとんどなので(大抵はコンタクトレンズではなくメガネ)、必然的に校友会活動絡みの合コンなどが主となる。1年生は外出の時に必ず制服でないといけないので、ナンパは難しいと考えられる。ちなみに女子の寝室に入ればそれだけで事故扱いとなり、防大生同士が学生舎の寝室で本番やると停学になる。といっても一年に何軒か起こる。